なぜ、警察が?

(スズメ警官とひよこ警官のイラストです)

 

「変な夢、見ちゃったな~😰😰」

母の作ってくれたお昼ご飯に、箸が全く進まない私

ピンポ~ン🎶

チャイムが鳴ったので、母が玄関に出て行きました

「あら、警察の方がいらっしゃったんだわ・・・」

警察!

この一言で、

私の心臓の音はバクバクと高鳴り、額から汗がにじんできました💦

「私を逮捕するために、来たんだわ」

あわてた私は玄関ドアの陰に隠れて、警官と母の話を耳をそばだてて聞いていました👂

すると、

『詐欺が多いので、各家庭を巡回して注意喚起』されているとのこと

私は、ホッと胸をなでおろしました

「いや・・・でも・・・まだ、油断なんて出来ないよ!」

私が疑心暗鬼になってしまったのも、仕方のない事なんです?👹

あんな「夢」をみてしまったすぐ後に、警察が来られたのですから

 

あれは、本当に夢だったんでしょうか?

現実に起こった事ではなかったのでしょうか?

なぜ私がそう思うかというと、

私のいつも見る夢は、

私のいる場所が急に変わったり、奇想天外な場面に出くわしたり、ハチャメチャ夢ばかり見ているからなんです

 

最近見た夢で例えてみると、

 

ヒグマに襲われるのが怖いので、タンスに登ると、

隣に黒柳徹子さんがいた!!!(しかも、カラーの夢でした)とか

 

そんな荒唐無稽な夢ばかり見ているんです

 

それなのに、その時の夢は、

本当に体験したかのように、深く記憶にこびりついていて、しかも、理路整然とした夢だったんです

とても夢とは思えないほど現実的な夢だったので、そう思ってしまったんです

しかも、

夢の続きがどうなったのか、気になって仕方がないんです

私はあの後、どういう決断を下したのでしょうか?

そして、聞きたいのです 

 

もしも、あなたなら、どうされますか?

 

それは、こんな夢でした

 

私は、5ナンバーのワゴン車に荷物を積み込んでいました

引っ越しをするために荷物を積み込んでいたのです

引っ越し用のトラックでもないのに、なんでもかんでも積み込んでいました

「今日、布団が無いと、ヤバいんじゃない?」

新居への期待が膨らんでいた私は、布団まで積み込もうとしていたのです

 

引っ越しをするというのに、今日でこの家とお別れをするというのに、私は、小さなシャベルで庭に穴を掘っていました

 

『タイムカプセル』を庭に埋めるためでした

小さなスペースが出来ました

 

『思い出深い、虹色に輝くビーズ』

 

箱にも入れずに、そのまま入れようとしていると、

私が掘った小さな穴から、大きな穴につながっていることが分かったのです

 

『四角くて大きな穴』

 

につながっているのです

「こんなに大きな穴が?何で?」

大きくて四角い『洞窟』のように思える穴

私の心は、洞窟探検をしているかのように、はしゃいでいました

まるで、子どもの頃に帰ったかのような好奇心

私は、体を突っ込んでのぞき込みました

穴の中は真っ暗でしたが

『白く輝くもの』のお陰で、洞窟の中は明るかったのです

 

白く輝く物の正体は

 

人の頭蓋骨でした

 

人の頭蓋骨の下に、人の骨がきちんと整理して並べられていました

 

私は、たじろぎました、

腰を抜かすほど驚いたはずなのに、

 

頭蓋骨が、磨かれたかのように、

『あまりにも白く輝いていて美しかった』

ことに見惚れてしまいました

 

ですが、

すぐに、我に返って、

パブロフの犬が、ベルの音を聞いただけで唾液を出したように、条件反射のように無意識のうちに

自分の持っている小さなシャベルで、頭蓋骨に向かって砂をかけていたのです

そして、私の堀った小さな穴を埋めてしまったのです

 

私は家族を呼び、一切の出来事を伝えました

 

その結果

家族のだれも、穴の事も知らないし、頭蓋骨の事も知らない、という確信が持てたのです

 

私たち家族は、最近、一週間ほど旅行をしていたために、家を空けていたのです

 

庭に入って『頭蓋骨を埋めた犯人』が確かにいる、のです

 

だけど、不思議なのは、

 

隣の犬が鳴いたはずなのに、誰も気が付かなかったの?という疑問です

 

隣の方が飼われている犬なのですが、その犬はとても優秀で、知らない人が私の家に近づいただけで、ものすごい勢いで吠えてくれるのです

 

犯人は、『旅行で家にいないこと』を知っていて、

しかも、「犬が吠えない人間」

 

とにかく、私は家族が犯人ではないことに安堵しました

もしも、家族が犯人ならば、私は『犯人の家族』ということになり、地獄よりも辛いこの世の中で生きていかなければならないのです

 

もしも、家族が犯人ならば、私は『穴を完璧に塞いでしまおう』と画策していたのですから

 

だけど、困ったことに、私たちは今日、この家から引っ越してしまいます

この家に新たに引っ越してくる方が『穴』の存在に気づき、警察に通報する

そして、

この家の前の持ち主の『私』か『私の家族』が、犯人でもないのに犯人にされてしまう

『冤罪で苦しむ家族』

そんな未来が私たちに待っている

 

近くに住む祖父母は心臓が悪く、きっと、耐えられないことでしょう

散歩しながら景色を楽しんだり、たまにポケストップやジムの沢山ある広島まで車で出かけてポケモンGOを楽しむ、というささやかな父母の楽しみさえ奪い、

罵倒する声が聞こえる中、暗い家に閉じこもりがちになるか、誰も知らない遠くへ引っ越さなければならない・・・

 

『あれ』のせいで、私の大切な家族は不幸になり、バラバラにされてしまう

 

私はその時、犯人よりも、頭蓋骨の事を恨んでいたのです

命を奪われてしまったかもしれない人への慈悲の心や生命の尊厳という意識など、私の脳裏にはカケラも残っていませんでした

頭蓋骨がはたして誰なのか、家族の元に返してあげよう、などという優しさや善意など、究極の無に等しいほど考えることが無かったのです

ただ、私と愛する家族の行く末だけが、心配で不安で仕方が無かったのです

 

『あの忌まわしい頭蓋骨』を、お尻で踏みつぶして粉々にして、畑の肥料にしてしまえば・・

頭蓋骨への憎悪が、加速度的に募って行ったのです

 

けれど、

家族が犯人ではないことを確信していた私は、やはり、警察に届けることにしました

だけどその時、

『虹色に輝くビーズの中の一粒』を無くしてしまっていた事に気づいたのです

 

きっと、『あの穴』に落としてしまったのに違いありません

 

警察が来たら、

 

小さなシャベルで砂をかけて、

『頭蓋骨を隠そうとした』ことと

『砂の中に、私の虹色のビーズが混じっている』

 

これほど明らかな証拠があるのです

きっと、警察は私のいう事など信じてはくれないでしょう

 

私は犯人にされてしまう

 

警察に届けるか、

それとも、

完璧に穴を塞ぎ、

そして、知らぬ顔をしたまま、引っ越すのをやめてここに住み続けるか

 

絶望と悔しさと、真実を希求しよう、それでも隠したくなる、隠しおおせる、という焦りと正義との対峙が、ぐるぐると頭の中で回っています

 

そこで、目が覚めました

 

残像のように強く記憶に残ってしまった『夢』の事を考えながら昼食を食べていたちょうどその時に、

「警察」の方が家に来られたのです

 

まさか、やっと「あの夢」から解放されたというのに、まだ続きがあるというの?

 

玄関の扉にすがりついた私は、耳をそばだてて警官の話を、

一字一句逃すまい、と聞いていました

やがて、

警官と母の話は、何事もなく、和やかな雰囲気で終わったのです

 

私は玄関の外にいる母と入れ替わるように裸足で外に出て、扉で体を隠しながら、

まるで、尾行する刑事のように、警官の行方を探りました

 

警官は隣の家に行って、同じ話をされていました

 

警官の姿が遠くになり、やがて見えなくなりました

 

私のガタガタと震えていた足の震えは、いつの間にか治まっていました

スキップしながら家に飛び込んだ私は、

鼻歌を歌いながら居間に戻りました

両親と和やかに、そして、笑いながら昼食を全て平らげたのです

 

両親の話によると、

「車で毎日定期的に巡回されているけど、『警官が家にやって来る』なんてこと、30年以上もこの家に住んでいるのに、初めての事」

だったのだそうです

 

『あの夢』はただの夢ではなく、

 

『警察が家に来る』という予知夢だったのでしょうか?

 

そうだとするなら・・・